VDMXからMIDIを飛ばしてV-1HDを操作してみよう
0. はじめに
久々になんか書こうかな、、、と思い至りましたので書きます
で、今回何書こうかと
QCのパッチの説明とか、VDMXのプラグインの使い方とか書けそうなネタはあるんですが、最近V-1HDという財布が涼しくなる買い物(知らない人はググってください)をしたのでそれに関するネタを書こうと思います。
内容はタイトルの通りで、手元に
・V-1HD(VJミキサー)
・VDMX(VJソフト)
・USB MIDI I/F(https://www.roland.com/jp/products/um-one/)
があったので、
[V-1HD]<----(MIDI I/F)---->[PC(VDMX)] って感じで
「VDMXからMIDI信号飛ばしてV-1HD操作できるようにしたろ!」
となった結果が今回のタイトルとなります。
※今回は上記の環境で進めていきますが、MIDI IN/OUTのある機材や、MIDIを送信できるソフトがあれば同じような事ができるんじゃないかなと思います。
1. VDMXからMIDI信号を送ろう
まず手始めに「VDMXからMIDI信号ってどうやって送るの?」ってところを軽く説明したいと思います。
みんな大好きVDMXを起動します
Workspace Inspector > Plugins > 「+マーク」からControl Surfaceを追加し、
Control Surface Options > 「+マーク」からButtonを選択
するとControl SurfaceにButtonが出来ます
今さらっと使ったControl Surfaceは、自分で好きなUIを作成してボタンとかを配置して使用できるなかなか実用的かつ楽しいやつなんですが、今回は解説を割愛させていただきます。
Yuichiさんが以下の記事でControl Surfaceの説明をしているので、参考にどうぞ。
ボタンが出来たら、UI Inspectorが開いていると思うので、Sendingタブをクリックします
UI Inspectorが出てない時は「Command + 2」とかで出るはずです
VDMXを使用している人は、MIDIコントローラーのマッピングなどでReceivingよく使っているかと思います。
要は、逆にVDMXから何かを操作する時はSendingを使いますよ、ということですね。
ここまできたら、<Not Selected>となっている部分をクリックして、「MIDI」を選択します。
MIDIを選択すると以下の様になるかと思います。
MIDI Senderというところで送るMIDIの内容を決めて、UM-ONE-UM-ONE(MIDI I/Fのこと)に送りますよーという感じです。
今回はMIDI I/Fの先にV-1HDが繋がっているので、ここで作成したMIDIはI/Fを通してV-1HDに送られます。
2.V-1HDに対応したMIDIを調べる
MIDIをV-1HDに送れるようになったので、あとはV-1HDにさせたい操作はどんなMIDIを送ればよいのかな??となります
公式(https://proav.roland.com/global/support/by_product/v-1hd/owners_manuals/)に各ボタンや操作に対応するMIDIはこうなってますよ的な説明書があるのですが、読んでも僕はさっぱりわかりません(わかる人はわかるのかもしれませんが)
じゃあどうすれば良いの????MIDIのお勉強するしかない????
そんな事は必要なくて、
偉大なるVDMXさんはコントローラーからどんな信号がきてるか表示させるプラグインをお持ちになっているんです、すごい!
知っている人は知っていると思いますが、僕は最近これを知って感動しました。
それがこちら「Comm Display」
同じく Workspace Inspector > Pluginsから作れます。
Typeで「MIDI」を選択して、V-1HDのボタンを一回叩いてみます。
今回は TRANSFORMERボタンを叩いてみました。
すると以下の様な表示が出てきます。
一回叩いただけなのに2行分出力されているのは、今回叩いたボタンの
「ボタンが押されている状態」と「ボタンが押されていない状態」
が返却されているからです。
上の画像では、
「あなたが叩いたボタンは、
ch.0, ctrl.21, val.127 が押されている状態で、
ch.0, ctrl.21, val.0 が押されていない状態だよ」
という意味になります。
逆に考えると、「ch.0, ctrl.21, val.127」をVDMXから送信すれば、ボタンを叩いたのと同様の処理をV-1HDがしてくれるというわけです。
※コントローラー側を操作してもComm Displayに何も表示されない場合は、コントローラー側でMIDIを送信する設定になっていないなどの理由がありますので、取扱説明書などで設定の確認を推奨します。下で述べる受信についても同様です。
3.V-1HDにMIDIを送る
ここまで来てしまえばもうこっちのものです。
1.と2.より、
Control Surface上のButtonが押された時に「ch.0, ctrl.21, val.127」がV-1HDに送信される様にしてみます。
先ほどのMIDI Senderにて、
・Control Number が ctrl
・Channel が ch
に対応していますので、それぞれの値を以下の様に設定します。
フェーダーに信号を送る時などはvalの値も考える必要があるのですが、ボタンを押した際はval.127となるので今回は省略します。
これで設定は終わりです!
Control Surface上のボタンを押してみて、V-1HDのボタンを押した時の処理がされていれば成功になります、お疲れ様でした!
4.まとめ
特にまとめることもないのですが、自分なりにVDMXからV-1HDなどを操作する利点と欠点を並べてみます。
利点
・複数VJがいる現場などでは手元から離れたところに置かれがちのVJミキサーなどを手元で操作できる様になる
・VJミキサーのエフェクトなどをPC側から操作する様にすれば、VJソフトでエフェクトをかけるよりPCへの負担が少ない(多分)
欠点
・MIDI I/FをPCに接続するためのUSBポートが1つ必要
・VJソフト上で思わぬMIDIの発行、競合によって最終出力に近い位置にあるVJミキサーの挙動がおかしくなる可能性(限りなく小さいとは思いますが、、、)
以上になります。個人的には現場でも実用性のあるレベルでVJプレイングの幅が広がると思っているので、今後も色々調べていこうかと思っています。
今回は以上になります。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
zukutya
Twitter@zukutya